【W杯小話・特別編】教えてくれた5人・前編|夢と、覚悟と、希望。
【W杯小話・特別編】教えてくれた5人・前編
夢と、覚悟と、希望。
どうも、うがちでトニーです。
ブラジル戦。
結果は1-2。
あと少し。
本当に、あと少しやった。
前半29分。
佐野海舟がブラジルゴールを撃ち抜いた。
その瞬間、日本中が夢を見たと思う。
でも、相手はブラジルやった。
後半に追いつかれ、
最後の最後。
95分。
夢は、あと一歩のところでこぼれ落ちた。
悔しかった。
ほんまに悔しかった。
でも、この試合を負けたから終わり。
そんな一試合にはしたくない。
ブラジル相手に、日本は確かに戦った。
その中には、次へ残したものがあった。
これまでトニーは、
オランダ戦へ見たかった5人。
チュニジア戦から繋げる5人。
スウェーデン戦から、さらに次へ繋げる5人。
そんな形で日本代表を追いかけてきた。
でも今回は少し違う。
ブラジル戦のあとに残ったもの。
勝ったから選ぶ5人ではない。
負けたからこそ、心に残った5人や。
ブラジル戦が教えてくれた5人。
前編で語るのは3人。
佐野海舟。
冨安健洋。
鈴木彩艶。
夢。
覚悟。
希望。
95分の先にも残ったものを、
もう一段うがってみようと思う。
夢を撃ち抜いた一撃、佐野海舟
佐野海舟
正直に言う。
ブラジル戦で、誰もが一番最初に思い浮かぶ名前や。
前半29分。
中盤でボールを奪う。
迷わない。
止まらない。
進む。
振り抜く。
そして、体勢を崩しながらのシュートが
ブラジルゴールへ突き刺さった。
相手がブラジルやから。
世界王者候補やから。
そんなことは関係なかった。
撃てると思った。
だから撃った。
その勇気が、日本を先へ連れていった。
もちろん、あの一発だけで試合が決まらんかった。
でも、日本中が同じ景色を見たと思う。
「もしかしたら。」
そう思わせてくれた。
それだけでも、大きな意味がある。
W杯は、相手の名前で戦う場所やない。
目の前の90分を戦う場所や。
佐野のミドルは、そのことをもう一度教えてくれた。
結果だけ見れば、日本は負けた。
でも、あのゴールまでは消えるわけやない。
ブラジル相手に先制した。
その事実は、この大会にちゃんと残る。
夢は95分でこぼれた。
でも、その夢を最初に見せてくれたのは佐野海舟やった。
だから今回は、
ブラジル戦が教えてくれた5人。
その最初に、佐野海舟の名前を置いておきたい。
王国の左を止め続けた覚悟、冨安健洋
冨安健洋
佐野海舟が夢を撃ち抜いた。
でも、その夢を95分近くまで残せた理由は、前の選手だけやない。
後ろで身体を張り続けた選手がおる。
冨安健洋や。
ブラジルの左には、ヴィニシウス・ジュニオールがいた。
世界でも指折りのドリブラー。
一対一で剥がす。
スピードで置き去りにする。
一瞬の隙を、決定機に変えてしまう選手や。
その相手に、冨安は何度も向き合った。
寄せる。
身体を入れる。
コースを消す。
簡単には前を向かせへん。
ブラジルは、ひとりを止めたら終わりのチームやない。
ヴィニシウスを止めても、また次が来る。
中央にはカゼミーロがおる。
後ろからも、前からも、波のように押し寄せてくる。
それでも冨安は、逃げへんかった。
怖がって下がるだけでもなかった。
行くところは行く。
待つところは待つ。
身体を張るところでは、迷わず張る。
失点した。
最後は逆転も許した。
それでも、冨安の守備は最後まで消えんかった。
もしあの対応がなければ、
日本はもっと早く苦しい展開になっていたかもしらん。
守備の選手は、失点した瞬間だけを見られがちや。
でも、その前に止めた一本。
身体を張った一歩。
相手の勢いを削った一回。
そこにも、試合はちゃんとある。
ブラジル戦で、日本は最後まで王国と戦った。
簡単には崩れへんかった。
95分まで夢を残した。
その覚悟を、一番近くで見せてくれた一人が冨安健洋やった。
だから今回は、
ブラジル戦が教えてくれた5人。
佐野が夢を見せたなら、冨安はその夢を守り続けた。
神セーブで最後まで残した希望、鈴木彩艶
鈴木彩艶
ブラジル戦。
一番忙しかった選手は誰や。
そう聞かれたら、トニーは鈴木彩艶の名前を挙げる。
ブラジルの攻撃は止まらへん。
右から来る。
左から来る。
中央からも来る。
次から次へと襲い掛かってくる。
そのたびに彩艶は立ちはだかった。
構える。
読む。
飛ぶ。
止める。
また立ち上がる。
どれか一本でも決まっていたら。
日本の夢は、もっと早く終わっていたかもしらん。
でも彩艶は、その時間を少しずつ伸ばした。
だから日本は、最後までブラジルと戦えた。
ゴールキーパーは、不思議なポジションや。
止めた時は当たり前。
決められた時だけ目立ってしまう。
でも、その前に救った何本ものセーブは消えへん。
後半95分。
最後はマルティネッリのシュートが決まった。
彩艶も届かんかった。
でも、それでこの試合は終わらへん。
それまで何度も日本を救ったセーブは、この試合にちゃんと刻まれた。
ブラジル戦で、日本は最後まで希望を捨てへんかった。
その希望を、何度も神セーブで繋ぎ止めたのが鈴木彩艶や。
だから今回は、
ブラジル戦が教えてくれた5人。
冨安が夢を守ったなら、彩艶は神セーブで最後まで希望を繋ぎ続けた。
前編まとめ
ブラジル戦は、悔しい敗戦やった。
95分。
あと一歩のところで、日本の夢はこぼれ落ちた。
でも、この試合で残ったものは、悔しさだけやない。
ブラジル相手に先制した勇気。
最後まで身体を張った覚悟。
何度も日本を救った希望。
その全部が、この一戦には詰まっていた。
佐野海舟は、夢を撃ち抜いた。
誰もが「もしかしたら。」と思えた、あの一撃。
ブラジル相手でも、日本は戦える。
そう信じさせてくれたゴールやった。
冨安健洋は、王国の攻撃を最後まで受け止め続けた。
ヴィニシウス・ジュニオールと向き合い、
身体を張り、
95分まで夢を守り続けた。
鈴木彩艶は、何度も日本を救った。
神セーブで希望を繋ぎ、
最後の最後まで、日本代表に可能性を残した。
あのセーブがあったからこそ、最後まで夢を見られたんや。
佐野が夢を見せた。
冨安が夢を守った。
彩艶が希望を繋いだ。
この3人は、ブラジル戦で終わる名前やない。
負けたからこそ、心に残った名前や。
佐野海舟。
冨安健洋。
鈴木彩艶。
夢と、覚悟と、希望。
ブラジル戦は終わった。
でも、この試合が教えてくれたものは、まだ終わらへん。
前編はここまで。
後編では、途中から流れを変えようとした2人を見ていきたい。
ブラジル戦の最後まで、前を向こうとした選手たち。
後編へ続く。
――うがちでトニー、オブ缶片手にブラジル戦の95分から、教えてくれたものを拾い集めてみました。
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